「ゴーストギア」

 今年もあっという間に5ヶ月が過ぎて梅雨の時期に入りました。長かった コロナ禍から普段の生活を取り戻しつつありますね。

SDGsに関連している事案で海洋プラスチック問題があります。すでに多 くの人が耳にしたことがあると思いますが、プラスチックと聞くとビニール袋 やペットボトルなど身近な商品を思い浮かべますが、海洋プラスチック問題の一 部では、ゴーストギアによるゴミも問題になっています。

 ゴーストギアとは漁網やロープ、釣り糸、浮きなど海で使われているプラスチ ック製の漁具が廃棄されたり、流出して幽霊のように海に漂っていることを言い ます。ゴーストギアは年間50〜100万トンも海に流出していると言われてい ます。家庭ごみであるプラスチックは、劣化は早いですがマイクロプラスチック として細かくなっても存在し続けます。一方で、魚具や魚網のようなプラスチッ ク製品は、耐久性がありすぐに劣化するものではありません。長い年月海を漂い 続けていき、サンゴや藻を傷つけたり、多くの海洋生物の命を奪っているのが現状です。

 ゴーストギアとして海に流出してしまう原因はいくつかあります。1つ目は紛失 や放置による流出です。作業中に絡まって紛失してしまったり、釣具が切れたなど の場合、また港に山積みにされた古くなった魚網を放置したままにして、風や波に さらわれて海に流出するパターンもあります。

 2つ目は違法に廃棄・投棄されたことによる流出があります。許される行 為ではありませんが、漁業関係者が捨てたり、乱獲を隠す為に投棄する問題が発生しています。

 ゴーストギアは世界規模の漁業関係者や組織が絡んでおり、とても複雑な問題です。 私たちが出来ることとして、日々のプラごみ削減や、海辺の清掃などさらなる被害を食い止 めることはできます。

 今や広く認識されるようになったSDGsですが、最近では積極的に取り組んでいる企業 も増えている印象です。新型コロナウイルスによって、世界中のビジネスや市場を取り巻 く環境は激変しました。社会課題の大きさはそのまま市場規模と捉え、SDGsを意識した取 り組みを仕事や日常生活で増やせていけたらと思います。

アオイ福原(株)
福山支店 村上 英之

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