「切ない世の中」

 先日、インターネットで見かけた記事で、ものすごく自分が切なくなってしまいました。

 埼玉県在住の75歳の方が、交差点で信号待ちをしている時、ピカピカのランドセルを背負った小学生がやって来ました。

「お帰りなさい。車に気をつけて、帰ってね。」その子にそう声をかけると、突然、ランドセルに付けていた防犯ブザーが鳴り響きました。 その子はそのまま横断歩道を渡り歩いて行ってしまいました。75歳の方は、普段から顔見知りの小学生に声かけをしていましたが、 笑顔で返答してくれていたので、同じように声をかけたそうです。

 ただ、逃げるように去っていった後ろ姿を見て、「見知らぬ人に声をかけられたらブザーを鳴らすようにと、 家庭でいわれているのだと想像できた。」と言われています。 「やはりお節介だったろうか、親切心でしたことが、かえって迷惑なことがあるのだと痛感させられた。」と言われています。

 この記事がツイッターで紹介されると、反響がすごかったらしいです。見知らぬ人から身の安全を守るために防犯ブザー を鳴らした子と、親切心で声かけをした75歳の方。どちらも不適切な行動をしたわけではないと思います。 くしくも、私の子供たちが小学生だった頃には、そのように言っていました。ただ1つ違うとすれば、 「挨拶をされたら返事はしなさい。」と、私は子供たちには教えてきました。

 ですが、このようなことが実際に起こっていることが私はとても切なくなり、悲しくなりました。

 親切もできない世の中、何も言えない社会になりつつあることが残念でなりません。 「こんな時代に誰がしたんだ!」と、声を大にして言いたいです。  地域性の問題もあるかもわかりませんが、となり近所に誰が住んでいるかもわからない時代です。

 情報が色々な形で飛び交う時代ですが、そんな時代だからこそ、人と人とのつながりが大切なのではないでしょうか?

 私は切にそう思います。

アオイ福原(株)
広島本店 福原 睦雄

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