「若草の試練」


 奈良に若草山という山があります。ここでは毎年1月15日に山焼きが行われます。どういう経緯で始まったのかは定かではありませんが、若草山の若草は、この山焼きのおかげで毎年蘇っているそうです。枯れ草は焼き尽くされますが、その根は残っており、焼かれることで強くなるとともに、灰が栄養分となって、いっそうたくましく育つのだそうです。

 この山焼きは、若草山の若草にとっては一種の試練といえます。しかしその試練に耐えることで、よりたくましくなっているのです。

 不幸や逆境は、こうした試練だと考えられないでしょうか。逆境の体験のない人は、根が弱くなり、ちょっとした挫折でもへこたれてしまうかもしれません。しかし、逆境に立たされた人は、よりたくましくなる機会を与えられているわけです。

 「艱難汝を玉にす」。苦しみはあなたを磨き、光り輝く人間にするという意味です。この言葉を信じて、試練に立ち向かっていきたいものです。




アオイ福原(株)
尾道本店 有木 万記


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