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2012年は興味深い天体ショーが目白押しの1年ではないのでしょうか。 ・木星と金星の大接近 肉眼で見える最も明るい二つの惑星が、木星と金星。その二つが3月14日の日没後、西の空に接近して見えました。その日は雲がない夜空で、他の星にない明るい二つの惑星が非常に目立っていたので、気付いた人も多かったのではないでしょうか。 視覚的には、手を伸ばして指2本分の幅しか離れていなかったのですが、実際には今回の場合だと、金星は地球から約1億2200万キロ、木星は約8億4400万キロとその差約7倍の距離であったとの事です。 ・スーパームーン ゴールデンウィーク終盤の5月5日、6日の夜の月は、いつもの満月と違った雰囲気だったと感じた方も多いのではないのでしょうか。 その日に見えた月はスーパームーンと呼ばれ、NASAの発表だと、通常の月の大きさより14%大きく、明るさは30%明るく見えたようです。 月の軌道は楕円状であり、その関係で地球に近づく事がある。この地球に近づいた時と、満月の時期が重なると今回のような大きな月を見ることができると言うことです。 ・金環日食 テレビ等でも大々的に報じていた、2012年の天体のメインイベントである金環日食が5月21日朝にありました。 金環日食とは、太陽と地球との直線状に月がぴったりと重なる天体現象で、月の軌道、大きさの関係で、太陽よりもほんの少し小さくなり、太陽が金の輪に見える日食です。 残念ながら広島県エリアは、金環日食のエリアからは少し外れ、太陽の92%が月に隠れる部分日食となりましたが、当日朝多くの方が空を見上げ実際の目でその現象を確認したかと思います。 次回18年後に北海道で見ることができます。部分日食だと、23年後に広島でまた見ることができます。 ・金星の太陽面通過 6月6日朝から昼過ぎにかけて、金星が太陽の表面を横切ることで、太陽に小さな穴が空いたように見える現象が起こります。月と比べて、金星の方が地球との距離が遠いため、太陽が欠けて見える面積は非常に小さく、金環日食に対して非常に地味ですが、次回は105年後との事で、実は金環日食よりも珍しい現象です。 金環日食観察用に日食グラスを入手した方は、この現象も確認されたのではないでしょうか。 ・金星食 8月14日未明に、金星の手前を月が横切り、細い三日月の光る側から金星が隠れ、暗い側から現れるように見える金星食があります。金星は明るく目立つため、特別な道具も必要なく、月を見つければこの現象は確認できるのではないでしょうか。 国立天文台によると、今年は天文現象が多く見られる「超当たり年」との事です。 天文現象には、何年、何十年振り、と言うものが多く、せっかくの機会なので逃さず自分の目で確認してみましょう。
アオイ福原(株)
福山支店 井上 宜幸 |