『新燃費表記』


   夏も本格化してきて、車の運転には冷房が欠かせない季節となりました。冷房をつけていると車の燃費は悪くなるものです。今ではハイブリッドカー等の燃費性能がよい車種が多くなりました。車を購入する時は、カタログで燃費性能を確認するなど、燃費に対しての注目度は省エネの観点からとても増していると思います。そこで、燃費に関しての大変興味深い話題があったので紹介します。

カタログの燃費表記ですが、今年の4月1日から新燃費測定での表示がスタートしました。「JC08モード」と言うものです。従来は、「10・15モード燃費」と言う測定方法での表記だったのが、より実際の使用での数値に近い測定方法での表記になりました。

 かつて、燃費は60km/hでテスト走行を行った結果を燃費として表示していました。しかし、加速回数が多くなる市街地の走行では燃費消費量が大きくなるなど表示と実際の燃費が大きく異なる事から、市街地を想定した10項目の走行パターンに、郊外を想定した15項目の走行パターンを加えた「10・15モード燃費」が採用されました。しかし、この10・15モード燃費による測定は、暖気状態のみの測定、加速にかける時間が長い、測定するスピードが一般的な公道よりも遅いなど実際の使用条件との差があり、カタログでの数字と実際の使用下での数字の差が大きくなりがちであると指摘されていました。

 そこで、走行距離と測定時間を約倍にしより実際の走行パターンに近づけ、暖気前の状態での測定も加え、平均時速も高められ最高速度も70km/hから80km/hに引き上げられた測定方法として「JC08モード」が採用されました。

 10・15モードからJC08モードへの変更により、カタログ上の燃費数値は一般的に1割程度低くなる傾向があります。例えばプリウス38km/L→32.6km/L、フィット24.5km/L→20.6km/Lとなっています。

 4月1日以降発売の新型車には新測定による表記が義務付けられており、それ以前より販売されている車にも再来年の2月末までに新測定での表記が義務付けられる事が決まっています。実際のカタログには、新旧二つの表記がされています。新測定での表記だけだと、新型車なのに燃費が悪くなっている感覚を持たれる可能性はあるので、新旧両方を併記しているのではないでしょうか。ちなみに、先日発売されたマツダ社の新型デミオは30km/Lの燃費が話題になっていますが10・15モード燃費での表記となっており、JC08モードでの表記は25km/Lとなります。

 新車購入を検討されている方、カタログを見る時の参考にしてみてください。




アオイ福原(株)
福山支店 井上宜幸


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