『コラム』


 老若男女を問わず、高い好感度を誇っている明石家さんまさん。彼の人気の秘密はどこにあるのでしょうか。  立て板に水のごとく流暢に語る話術、場を盛り上げる才覚、巧みなオチ・・・などなど、いろいろな理由が考えられますが、いちばん大きな理由は、卓越した認識力や判断力によると名越さんは書いてます。

 さんまさんに限らずたけしさん、紳助さんなど、お笑いやテレビの世界で天才と呼ばれている人は皆、人間観察の能力に優れています。

 例えば、さんまさんが司会をしている番組にはタレント、文化人、素人がよく出ています。ひな壇に座った出演者は、いっせいに言葉や、様々な情報をさんまさんに発しています。それに対し誰に話を促すか、出た話題は拾ったほうがいいのか、拾うとしたらどれくらい広げるのか、一度スルーして後から振るのか、そのまま捨てるのか・・・といったことを瞬時に判断しています。迅速かつ的確に認識し判断する力があります。

 私たち一般人がそうした達人の域にまで達することは困難でしょう。でも少しの心がけで、認識力を高めることは誰にでもできます。認識力が高まると、会話力がたかまり、ひいては人との心地よいコミュニケーションを楽しむことができるようになります。

 では、認識力を高めるにはどうしたらよいのか?「相手の話をしっかり聞く」ことです。なんだそんなことか、と思うかもしれませんが、実はこれがなかなかできない。人は思いのほか「自分が話したい」「話を聞いてもらいたい」と欲する生き物なのです。相手が話している間、頭の中は次に自分が言うことばかりを考えていて、だんだん会話がはずまなくなってしまったという経験は誰もがしていると思います。

 ですから、まず話をしっかり聞く。その際、相手の話の中のキーワードを意識して聞くことが大切です。そのキーワードとは、その人にとっての大切な言葉。そこに興味を示せば相手は当然うれしくなるものです。

 コミュニケーションを良好に保つには「相づちを打ったり、目を見て話すことが大事」と言われますが、それらはあくまで技術的な側面で、それよりも、キーワードを意識しつつ相手の話をしっかり聞き、その言葉をもとに聞き返してみる。今日から意識して生活に取り入れてみましょう。 参照:精神科医 名越康文さんの文章




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尾道本店 小林 英昭


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