『コラム』


 アカデミー賞を日本の映画が2本も受賞しました。

 そもそも、アカデミー賞とはどんな賞なのでしょうか。

 アカデミー賞はもともと、アメリカ映画の賞です。世界でもっとも華やかな映画の祭典、といわれています。基本はアメリカ映画を対象とした映画祭であり、その抜群の知名度に反して国際映画祭ではありません。選ぶのは「映画芸術科学アカデミー」という団体です。映画会社の人や映画監督、それに俳優などおよそ6000人が会員です。この人たちが、前の年に公開された映画の中から、投票して選びます。

 アカデミー賞は、部門ごとに決まります。作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など20以上もあります。この中に外国語映画賞と短編アニメ賞という賞があり、この2つの部門を日本の映画の「おくりびと」と「つみきのいえ」が受賞しました。

 どちらの賞も、日本の映画が受賞したのははじめてです。また、同時に2つの部門を日本の映画が受賞するのも、はじめてです。外国語映画賞は、以前は正式な部門ではなく、名誉賞といわれたりしました。そのころに、日本の映画が受賞したことがありますが、1956年に作品賞などと同じように正式な部門になってからは、日本の作品が受賞したことは一度もありませんでした。

 2つの作品が受賞したアカデミー賞はどうしてはじまったのか。

1927年、「映画芸術科学アカデミー」ができました。「アメリカの映画をよりよいものにしよう」というのが目的です。そこで、すぐれた作品を選んで表彰しようということになりました。

 こうして、1929年に第一回目のアカデミー賞が決まりました。

最初は小さなパーティーでしたが、だんだん大きくなり、ハリウッドで開かれる授賞式は、今ではテレビで世界中に中継されています。

 受賞すると、お金がもらえるわけではありません。もらえるのはオスカー像と呼ばれる、高さ34センチ重さ3キロの像だけです。

 今回日本映画が受賞した外国語映画賞は、まず世界中で公開された映画の中から、1つの国につき1つの作品が推薦されます。推薦された60あまりの作品の中から、5つの作品をアカデミーが選びます。これをノミネートといいます。 そして、この5つの作品を見た会員が、授賞式の前に投票し、その結果が授賞式の会場ではじめて発表されるのです。

 日本の映画は、これまで11の作品がノミネートされたのですが、惜しくも受賞を逃していました。

 暗いニュースが続く中、日本の映画が2つ同時に受賞、こんな明るいニュースがもっと増えたらいいですね。




アオイ福原(株)
広島本店 鈴木 一浩


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