「自分の不足を知る」


 わたしたちがよく食べる蜜柑は元を正せば野生の柑子です。実は小さくおよそ人の舌には酸っぱすぎるものでした。それがいまはどうです。太陽の申し子のようにわたしたちの前に輝いています。

 これは野生の柑子の性質を克明に分析し、酸っぱい実が小さいといった弱点を克服した結果です。商品価値を高めるために改良を重ねてきた人たちの心血を注いだ努力、試行錯誤の結晶なのです。

 一つの仕事において業績を順調に上げ続けているとわたしたちは自分が欠点も弱点もない完璧な人間であるかのように思ってしまうことがあります。

 しかし、そう思った途端成長は止まってしまいます。こんな言葉があります。

 「己の実力が不十分であることを知ることが、己の実力を充実させる」

自分という柑子をしっかりわきまえ、不足を補い、さらに成長していくことが必要なのではないでしょうか。




アオイ福原(株)
尾道本店 有木万記


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