「出しきる」


 史上最大規模で行われた北京五輪も8月24日に閉幕しました。印象に残った1人目は、競泳男子200mバタフライの松田丈志選手です。準決勝で自らが出した日本新記録を1秒以上も短縮し、銅メダルを獲得しました。レース後に「自分色のメダル」と表現した言葉に感動した人は少なくなかったと思います。金色ではなかったけれど、「自分の持てる力を出しきった!」という充実感がそう表現させたのだと思います。

印象に残った2人目は、ソフトボールの上野投手です。今回、日本のソフトボールチームは決勝では米国を破り、初の金メダルを獲得しました。エースである上野投手は、準決勝から決勝までの2日間で3試合413球を1人で投げきりました。2日間で413球という限界まで自分の力を出しきることができたのはなぜなのでしょう?

きっと、「悲願の金メダル」という結果にこだわったからではないでしょうか。

今回、強く感じたのは「結果が全てではない」と言う言葉は、結果が出てしまった後に言える言葉だなという事です。結果が出るまでは、「結果が全て」とこだわった方がいいのではないでしょうか。こだわり過ぎはよくありませんが、「結果にこだわる」ことが「自分を出しきる」ことにつながると感じました。

安易に「結果が全てではない」と言ってしまったら、気持ちとしては楽になるかもしれませんが、「自分を出しきる」ことができないと思います。

応援する側は出てしまった結果に目が行きがちですが、私たちに本当の意味で感動を与えてくれるのは、金メダルという結果にこだわり、自分の全てを出しきる選手そのものだと思うのです。「自分を出しきる」ことが自分自身に充実感を与え、見るものに感動を与えてくれるように思います。自分がもっとも得意とする領域で、金メダルという結果にこだわってみませんか?「自分を出しきっている!」という充実感を与えてくれるでしょうし、いつの日か「自分色のメダル」というご褒美をもたらしてくれると思います。




アオイ福原(株)
福山支店 箱田一貴


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