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歯の病気と健康 食べ物を細かくかみ砕いて消化吸収を助ける歯は、人体に有効な役割を果たしています。口内の健康が損なわれると、さまざまなトラブルを引き起こします。 例えば、もっとも身近な肩こり、腰痛、筋肉痛などは、虫歯やかみ合わせによって起きる場合があります。虫歯をかばって左右どちらか一方だけを頻繁に使って噛む習慣が、首やあごの筋肉を緊張させたり、体にゆがみを生じさせたりして、痛みやこりとなってあらわれるのです。 また、治療で神経を抜くような緊張を強いられたときに、肩こりが生じることもあります。頭痛と歯の関係も複雑で、噛み合わせが原因で慢性的な頭痛に悩ませられる場合もあります。 また、良く耳にする歯周病は、歯だけではなく、全身の健康も脅かす恐ろしい病気です。特に気をつけたいのは妊娠中の歯周病です。妊娠で性ホルモンが増加し、口の中が酸性の状態になると、口内細菌が増殖して歯周病が発生しやすくなります。歯周病は、早産、妊娠高血圧、胎児の発育不良などの原因にもなるといわれています。歯周病の悪化で食事が偏ったり、よく噛まずに食べ物を飲み込むことで吸収率が低下して、女性は特に骨粗しょう病を悪化させることがあります。また、歯周病菌が作り出す物質が血管細胞を傷つけることで、心血管障害を起こしたり、糖尿病を悪化させる要因にもなります。ほかにも歯周病菌の酵素によって、口内の粘膜が損傷すると、感染症にかかりやすくなり、肺炎など呼吸器疾患を引き起こすリスクも増大します。 このように、口の中のトラブルは、重大な全身疾患を招く可能性があるのです。 歯の健康のためには、フッ素入りハミガキを使って、丁寧に歯を磨くこと、そして、治療などの必要がなくても、年に1〜2回はかかりつけの歯科医院を受診し、定期的に検診を受け、口の中をチェックしてもらったり、歯みがきでは落とせない歯石や着色汚れなども落としてもらったりすれば、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。家庭でのケアと、歯科医院での定期的なケアを上手に組み合わせて、いつまでも健康な歯を守りたいものです。
アオイ福原(株)
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