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最近、排出量取引という言葉を耳にすることが増えました。私達は毎日たくさんの二酸化炭素を出しています。例えば、自動車はガソリンを燃やして二酸化炭素を出しています。電気を使うと、石油などを燃やして電気を作ることになり、やはり二酸化炭素が出ます。家庭でもエアコンで暖房をすると、それだけで二酸化炭素が出るのです。 そこで、二酸化炭素増加に伴う地球温暖化防ぐためにどうすればいいか、世界の国々が集まって話し合う会議が、1995年から毎年開かれることになりました。 3回目の会議は京都で開かれ、二酸化炭素を1990年に出していた量よりも日本は6%、アメリカは7%、EUは8%減らそうということなどが決まりました。1990年という基準は、この時に初めて世界の国々の二酸化炭素の量を測れるようになったからです。 でもひとつの国だけでは、どうしても目的をクリアできないこともあります。そこで考えられたのが、排出量取引という仕組みです。 たとえば、二酸化炭素を出している国が2つあるとします。A国はなかなか二酸化炭素を減らすことができず、目標をクリアできません。B国のほうはがんばって、目標を大きく下回ることができました。余裕があります。こんなとき、A国はB国にお金を払って、目標を超えている分を引き取ってもらうのです。 二酸化炭素を、モノのように取引するのです。取引は、ヨーロッパなどでは頻繁に行われていて、二酸化炭素を売ったり買ったりする市場もあるのです。ちなみに、二酸化炭素は1トンあたり2000円〜3000円で取引されています。日本も今年、ハンガリーに引き取ってもらうことを決めました。 またこの排出量取引、ヨーロッパなどでは国同士だけでなく、国内の会社どうしでも行われているそうです。この排出量取引については、二酸化炭素の全体量は変わらない、という批判もあるのですが、がんばって二酸化炭素を減らせばお金になるので、もっと減らそうという動きにつながると期待されているのです。
アオイ福原(株)
広島本店 鈴木 一浩 |